ダイヤ運転とエンドレス型レイアウトのギャップ

レイアウトを計画した当初からいつも悩まされ続けてきたのが、「実際の鉄道に即したダイヤ運転の実現」と、一方で「安楽なグルグル運転も楽しみたい」という、二つの矛盾する欲求のギャップでした。

実際の鉄道では、環状線以外、1日のうちに同じ編成の同じ列車が同じ駅の同じホームに(しつこい)やってくることはあり得ないのですが、鉄道模型の世界では、通常、このことがごく当たり前のように行われています。まあ、一種のデジャブ大会だと思えばいいのですが。

じゃあ、「オマエは同じ編成を最低2列車、全編成分用意して、1日にそれぞれの列車を1回しか発着させずにしてまで、ダイヤ運転にこだわろうというのか?」と言われれば、それもちょっと異常でしょう。

で、これまでに決めたのが、「昭和34年9月頃の京都駅に発着していた全主要列車を、上り列車組と下り列車組に2分し、その範囲の中で極力ダイヤ運転に近いものを実現する」ということでした。幸い、当時の京都駅では、地理的な関係で、同じ時間帯に同じ列車の上りと下りが離合することは(多分)ありません。

ところが、前述した「安楽なグルグル運転も楽しみたい」という欲求から、やはりレイアウトのエンドレス化は避けられない、と決めたことで、発車させた(例えば)下り列車をどこかのブラインドゾーンで滞留させてやらねばならなくなってしまいました。しかも大量の列車をです。しかも1列車は1編成しかありませんから、今度はこの滞留させていた列車を、機関車の付け替えを行った上で、上り列車として再登場させてやらねばなりません。また、これは通常編成の場合であって、「つばめ」や「はと」「かもめ」の場合には、全列車の方向転換を行った上で、再登場させなければなりません。

よって、このレイアウトには、「膨大な数のブラインドの退避線と機回し線、それとデルタ線に準ずるループ線がさらに必要」ということになります。

現時点での計画では、レイアウト左奥部分(山科カーブ付近)と、右奥部分(能登川駅部分)の「地下部分」に、この仕掛けを用意しようかと考えていますが、嗚呼、またさらにややこしいことになってきました・・・