オハ46 考

「ワタシの時代」の東海道、九州優等客車列車における、三等座席車(ハザ)について考えてみますと、20系化されたものとスハ44を除けば、その連結優先順位は1.ナハ10、ナハ11等の軽量客車、次にスハ43またはオハ46、となっていたようで、まれにスハ32が予備車として対応に当たることはあっても、オハ35やさらにはオハ61等が「まかり間違っても」それらの優等列車に組み込まれることはなかったようです。

ただ、スハ43とナハ10(11)の優先順については、東海道の看板列車たる「銀河」や「月光」にはスハ43が、「なにわ」にはオハ46が主として充てられていたことや、より長旅を強いられる九州急行には、より乗り心地に優れるハズのスハ43系が、なぜ先にナハ10(11)に置き換えられて行ったのかについては、よくわかりません。


ここで、模型化の際の悩ましい問題として、「大手メーカーからのオリジナル・オハ46が全く発売されていない」ということが挙げられます。しかしオハ46には、スハ43からそのまま改番・編入されたオハ46 374〜398・494〜553・599〜628・654〜698の160両もありますので、これまでは主としてKATOのスハ43のインレタを変更しただけのものをオハ46として、組み込んでおりました。

ところが、「サイドビュー国鉄一般形客車」P.42、P.43のオリジナル・オハ46をじっくり眺めてみてガク然。オリジナル・オハ46はスハ43と屋根の断面形状が全く異なっているのです。のみならず、雨どいの高さも相当に違っています。そのまま転載する訳にも行きませんので、へたくそ絵にしてみますと、


中央の車両がスハ43、右側がオハ46のつもりですwが、オリジナル・オハ46の屋根はほとんどナハ10(11)等の軽量客車のそれにほぼ類似しています。


さらに、P.42中段のオハ46 44(大ミハ)の画像からはこの列車が、1.昼行で大阪行きの急行であること、2.愛称サボが3文字であること、3.この車両の前後も同一の屋根形状をしていること、4.撮影年が1959年であること、から「急行なにわ」であると断定出来ます。

よって、この時期の急行なにわを再現するためには、8両もぶら下がったオハ46を全て?「オリジナル・オハ46」すなわちオハ46 1〜60にする必要があるのです・・・

(続く)